任意整理と個人再生の違い

任意整理と個人再生はどちらも債務整理のひとつではありますが、様々な点で違いがあります。

任意整理とは、債権者と直接交渉を行うことにより、債務の計画的な弁済を行うために借金を返す期限を猶予してもらったり、利息分などの弁済すべき債務の一部を免除してもらったりすることを狙いとする債務整理です。

これに対して、個人再生とは、再生計画を作成し、裁判所に提出した再生計画（最大で債務額を５分の１程度に減額できます。）に沿って債務者の事業や経済生活を再建していく債務整理のことをいいます。

任意整理と個人再生の大きな違いのひとつは、裁判所を経由するか否かという点にあります。任意整理は基本的に債権者との交渉ですから、裁判所を介すことはありません。これに対し、個人再生の場合は裁判所に再生計画を提出することで、再生計画に基づいて債務整理を行うため、必ず裁判所を介すことになります。

また、任意整理は債権者との直接交渉であることから、どのような債務者でも選択肢の一つとなります（債権者と合意し、任意整理が可能になるかは別問題です）。一方、個人再生の場合は、手続きを利用できる人は限られており、「債務者が支払不能・支払停止の状態にあるかどうか（民事再生法21条1項）」、継続的に収入を得て返済ができるかどうかなど、さまざまの条件を満たした場合に個人再生手続きが開始されます。

この他にも、費用や準備すべき書面など異なる点はあります。どの債務整理の方法を用いるかは債務者の状況によって異なりますので、弁護士に相談することをおすすめします。

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