過払い金請求の方法と条件

過払い金請求とは？

過払い金請求とは、払いすぎた利息の返還を請求することをいいます。具体的には、利息制限法の限度（15%～20%）以上に支払った利息の返還を請求することをいいます。

なぜ過払い金というものが出てくるかというと、利息制限法と出資法という2つの法律が定められていることに起因します。両法律とも消費者を保護するために金利の上限を定めていましたが、それぞれ異なる上限が定められていました。具体的には、利息制限法では金利の上限が15〜20%であるのに対し、出資法では金利の上限は29.2%でした。そして、利息制限法に違反したとしても罰則はないのに対して、出資法の場合は罰則があったため、利息制限法が定める「金利以上、出資法が定める金利以下」の金利が設定されていました（これは一般に「グレーゾーン金利」と言われます）。2010年6月に出資法での金利の上限が20%に引き下げられたことにより、グレーゾーン金利は消滅しました。

過払い金請求ができるのはどのようなとき？

上記のような事情があるため、一般的に、過払い金請求の対象となるのは、2010年6月以前から組まれているカードローン等が中心です。また、借金を返済してから10年以内（または権利が行使できることを知ってから5年以内）に請求をしないとほとんどのケースでは時効が成立してしまいます。時効が成立すると、過払い金請求をしても過払い金の返還は拒否されてしまうのが一般的です。

過払い金請求の方法

過払い金請求は、下記のような流れで行います。

取引履歴の確認

過払い金請求の対象となる過去の利用履歴を確認します。過払い金請求の対象となる消費者金融やカード会社等に問い合わせれば、取引履歴発行に必要な手続きを案内してくれます。

過払い金の引直し計算を行う

取引履歴の確認ができたら、過払い金の計算を行います。過払い金の計算のことを、一般的に「過払い金の引直し計算」といいます。

実際に過払い金を請求する

過払い金の金額が分かったら、実際に過払い金を請求します。過払い金返還請求書を作成して送付するのが一般的です。

過払い金返還請求書をもとにした相手方との交渉がまとまらなかった場合には、調停や裁判へと進むこともあります。

なお、上記は一般的な過払い金請求の流れですが、それぞれの状況や事情によって詳細な方法は異なることがあります。弁護士に依頼された場合には、取引履歴の確認から弁護士に相談・依頼することができます。

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